大谷選手が2度受けたことで、皆さんも一度は耳にしたことあるけど、トミージョンって何?
プロ野球やメジャーリーグのニュースで「〇〇投手がトミー・ジョン手術を受けた」という見出しを見かけたことはありませんか?
この手術は特にピッチャーにとって非常に重要で、選手生命を左右することもある肘の手術です。今回はそのトミー・ジョン手術について、わかりやすく解説します。
トミー・ジョン手術って何?
トミー・ジョン手術とは、肘の内側側副靱帯(UCL)を再建する外科手術のことです。正式名称は「内側側副靱帯再建術(Ulnar Collateral Ligament Reconstruction)」。
この靱帯は、ピッチャーがボールを投げるときに大きな負担がかかる部分。繰り返しの投球によって靱帯が損傷すると、痛みや不安定感、投球スピードの低下などの症状が出てきます。
なぜ「トミー・ジョン」?
この手術の名前の由来は、1974年にこの手術を初めて受けたメジャーリーガー、トミー・ジョン投手。当時は選手生命が絶たれると考えられていたケガから、奇跡的な復活を遂げたことで話題となり、彼の名前が手術名として残ったのです。
手術の内容
トミー・ジョン手術では、損傷したUCLの代わりに前腕や脚から腱を採取して移植します。一般的に使われるのは、**前腕の長掌筋腱(ちょうしょうきんけん)**や脚のハムストリング腱です。

新しい腱(一般的には長掌筋腱)を肘の骨に通して固定することで、靱帯の機能を回復させます。
ちなみにここの腱は人間にとってなくなっても遜色ないそうです。

手術後のリハビリと復帰までの期間
術後のリハビリは非常に重要です。復帰までには12〜18ヶ月を要することが一般的。すぐに投球を再開できるわけではなく、段階的にリハビリを進めていきます。
回復のステップ(一例):
- 〜6週:肘を固定し安静
- 〜3ヶ月:可動域の回復と筋力トレーニング
- 〜6ヶ月:軽いスローイング開始
- 9ヶ月以降:本格的な投球練習
- 1年以降:実戦復帰を目指す
手術の成功率とその後
トミー・ジョン手術の成功率は**約85〜90%**とも言われています。実際、手術を受けた選手の多くが以前と同等か、それ以上の成績で復帰しています。
ただし、すべての選手がうまくいくわけではなく、再建靱帯の再断裂や、他の部位のケガにつながるケースもあります。
まとめ
トミー・ジョン手術は、投手にとっては避けられないこともある肘の再建手術ですが、正しい手術とリハビリによって、再びマウンドに戻ることが可能です。
この手術は決して「万能」ではありませんが、選手のキャリアを支える大切な選択肢の一つ。野球ファンとしても、選手たちの復帰を温かく見守っていきたいですね。
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