少年野球や学生野球でよく聞く「野球肘」。
一見すると軽いケガのように思われがちですが、放っておくと選手生命に関わる深刻な障害につながることもあります。この記事では、野球肘の原因・症状・予防方法についてわかりやすく解説します。
野球肘とは?
野球肘とは、投球動作の繰り返しによって肘関節に負担がかかり、炎症や障害が起こるスポーツ障害の総称です。主にピッチャーに多く見られますが、他のポジションやソフトボール選手にも発症します。
年齢によって障害のタイプが異なるのが特徴です。
- 成長期(小中学生):骨の成長軟骨が損傷しやすく、離断性骨軟骨炎などの障害を引き起こすことがあります。
- 成人以降:靭帯損傷、腱の炎症、関節内遊離体(関節ネズミ)などが発生することがあります。
野球肘の主な種類
1. 内側型(内側上顆炎)
投球時に肘の内側に引っ張る力が加わって、靭帯や成長軟骨が損傷するタイプ。痛みが出やすく、繰り返すと将来的に手術が必要になることも。
2. 外側型(離断性骨軟骨炎)
肘の外側に圧迫力がかかることで軟骨や骨がはがれてしまう状態。初期には無症状なこともあり、レントゲンで偶然発見されることもあります。
3. 後方型
肘の後方で骨同士がぶつかって痛みが出るタイプ。投球時に肘を強く伸ばすことで生じやすく、骨棘(こつきょく)形成を伴うこともあります。
こんな症状があったら要注意!
- 投げるときに肘が痛い
- 投球後に肘の内側や外側がズキズキする
- 肘の曲げ伸ばしがスムーズにできない
- 肘のロック感(ひっかかる感じ)がある
- 投球フォームが崩れてきた
これらの症状がある場合は、すぐに練習を中止して整形外科で診察を受けましょう。
野球肘を防ぐためにできること
1. 投球数の制限
特に成長期は1日の投球数・週あたりの登板回数を制限することが重要です。目安としては、1日あたり50〜70球までが望ましいとされています。
2. 正しいフォーム指導
無理なフォームで投げ続けると肘に負担が集中します。専門家の指導を受けることが再発防止にもつながります。
3. ストレッチと筋トレ
肩甲骨・股関節・体幹の柔軟性を高め、全身を使った投球ができるようにすることで、肘への負担を減らします。
4. 十分な休息
痛みがあるときはもちろん、定期的な「投球オフ期間」を作ることも重要です。
まとめ
野球肘は早期発見・早期対応がとても大切です。
「ちょっと痛いけど投げられるから大丈夫」と思わず、違和感を感じたらすぐに投球をストップして、専門医に相談しましょう。正しい知識と予防意識を持つことが、長く野球を楽しむ第一歩です!
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