スポーツや筋トレ、日常の何気ない動作の中でも、肘は意外と酷使されている関節です。特に野球、テニス、ゴルフ、筋トレなどを行っている方は、「フォーム次第で肘を壊す」リスクがあります。
この記事では、肘を痛めやすいフォームの特徴と、その予防策についてわかりやすく解説します。
【1】肘を壊しやすいフォームの共通点
● 過伸展(hyperextension)
肘を伸ばしすぎるフォームは危険です。例えばベンチプレスや腕立て伏せで、肘を「カチッ」とロックさせるような動き。これが肘の関節包や靭帯に過度なストレスをかけ、慢性的な痛みや炎症の原因に。
● 手首と肘のねじれ(valgus stress)
野球のピッチングやテニスのサーブでよく見られるフォームエラー。肘の内側にストレスが集中することで、「内側側副靭帯(UCL)」を損傷する恐れがあります。これが悪化すると、いわゆる「トミー・ジョン手術」が必要になることも。
● 肩・体幹が使えていない
肘だけで力を出そうとすると、その負荷が一点集中して肘を壊します。特に野球のスローイングや、ゴルフのスイングにおいて、肩甲骨や体幹の連動がないと、肘が犠牲になります。
● 反復的なストレス+回復不足
フォームが多少悪くても、しっかり休養が取れていれば大きなケガにはつながらないことも。でも、「毎日同じ動作を反復」し、「休みを取らずに続ける」ことで、小さなフォームエラーが大ケガに発展します。
【2】スポーツ別に見る、肘を壊しやすいフォーム例
◯ 野球
- 肩の開きが早すぎる
- リリース時に手首が寝てしまう
- 下半身が使えておらず、上半身で投げている
◯ テニス
- サーブ時の肘の高さが低すぎる
- フォアハンドで手打ちになっている
◯ ゴルフ
- スイング中に右肘(右利きの場合)が引けすぎて、無理に伸ばして打とうとする
- トップで肘が過度に内側に入る
◯ 筋トレ
- ベンチプレスで肘が開きすぎて肩と肘に負担
- トライセップエクステンションで無理な角度から引いている
【3】肘を守るためにできること
- フォームの見直し: 自分の動作を動画で撮影し、コーチやトレーナーにチェックしてもらう
- 肩・体幹の強化: 肘ばかりでなく、全身の連動を意識したトレーニング
- ストレッチとケア: 前腕・上腕のストレッチを習慣に。アイシングやリカバリーも重要
- 休む勇気を持つ: 違和感が出たら、思い切って休むことで、大ケガを未然に防げます
まとめ
肘を壊す原因の多くは、「フォームのクセ」にあります。正しいフォームを意識することで、ケガのリスクは大幅に減らせます。
もし肘に違和感があるなら、それは体からのサインかもしれません。無理せず、丁寧に自分の体と向き合いましょう。
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