関節がポキポキ鳴るのはなぜ?その仕組みと危険性、対処法まで


はじめに

「指を鳴らすと気持ちいい」「首や背中を動かすとポキッと音がする」――
日常生活でよく聞く“関節の音”。中には癖になってしまっている人も多いでしょう。
けれど、「この音って身体に悪いの?」「鳴らしすぎたら関節が壊れる?」と不安に思ったことはありませんか?

この記事では、関節がポキポキと音が鳴る原因やメカニズム、安全性の有無、医療的な視点からの解説や正しい対処法まで、幅広くお届けします。


そもそも「関節」とは?

まず、関節とは骨と骨のつなぎ目にあたる部分で、関節包(かんせつほう)という膜に包まれ、関節液という潤滑油のような液体によって滑らかに動く仕組みになっています。

代表的な関節には以下のようなものがあります:

  • 指の関節(指関節・PIP関節など)
  • 肩関節、肘関節、膝関節
  • 背骨(椎間関節)
  • 顎関節(がくかんせつ)

関節は滑らかに動くように作られていますが、時に「音」を発することがあります。


【主な原因】関節がポキポキ鳴る3つのメカニズム

キャビテーション(気泡の破裂)

最も有力で科学的に裏付けられている説がこの「キャビテーション」です。

関節の中には「関節液」が満たされており、急に引き離したり動かしたりすると圧力が変化して気泡ができたり、破裂したりすることがあります。このときに「ポキッ」「パキッ」という音が鳴るのです。若い方はほとんどの方がこれでしょう。

まるで炭酸の泡が弾けるような現象で、特に指や背骨、首などでよく起こります

✔ 特徴:

  • 痛みがなく、音だけがする
  • 1回鳴らすとしばらく同じ場所は鳴らない(気泡が再形成されるまで時間がかかる)

靭帯や腱のスナップ現象

筋肉や腱が骨の出っ張りを乗り越えるときに“引っかかり”が外れて音がすることがあります。これを「スナップ現象」と呼びます。

特に以下の部位で起こりやすいです:

  • 肩(ローテーターカフ)
  • 股関節(スナッピングヒップ)
  • 膝の裏
  • 手首

✔ 特徴:

  • 動かすたびに同じ場所で音がする
  • 筋緊張が強い、または柔軟性が低下していると起きやすい
  • 人によっては軽い痛みや引っかかり感を伴う

軟骨や骨同士のこすれる音(摩耗音)

年齢を重ねると関節軟骨がすり減ってくるため、骨と骨が直接擦れて音が出ることがあります。これが「関節の摩耗音」で、変形性関節症などでも見られます。こちらはすぐに病院(整形外科)へ行きましょう。

✔ 特徴:

  • 高齢者に多い
  • ゴリゴリ、ジャリジャリといった音
  • 動きの制限や痛みを伴うことがある

【結論】ポキポキ音は身体に悪いの?

▽ 基本的に「無害」である

キャビテーションによる音であれば、痛みがなければ心配いりません
日常的に指を鳴らす人が多いですが、それによって関節が壊れたり変形したりすることは医学的に否定されています。

有名な例として、カナダの医師が「片手だけ指を鳴らし続け、反対の手は鳴らさずに60年過ごした結果、両手に差はなかった」という実験があります。

▽ ただし注意すべきケースも

  • 痛みを伴う
  • 動かしづらい、腫れている
  • 音が頻繁で不快感がある
  • ある動きだけで必ず音が鳴る

このような場合は、関節に異常や炎症がある可能性があるため、整形外科での診察が推奨されます。


【部位別】ポキポキ音の注意点と対策

指の関節

  • 多くはキャビテーションによる音
  • 習慣化しても基本的に問題はない
  • ただし指が腫れたり、関節が変形しているなら受診を

首・背骨

  • ストレッチ中に「ポキッ」と鳴るのは正常範囲
  • 強く首をひねって鳴らすのは危険
    → 頸椎や神経を傷つける可能性あり

肩・膝・股関節

  • スナップ現象の可能性あり
  • ストレッチ不足や柔軟性の低下、姿勢不良が原因
  • 運動前後のストレッチが有効

【対処法】音が気になるときにできること

ストレッチと筋膜リリース

柔軟性を高めることが最大の予防法です。
肩、股関節、背中、手首など、よく鳴る部位のストレッチを行いましょう。

特におすすめ:

  • 背中まわり:猫背解消ストレッチ、肩甲骨はがし
  • 股関節:開脚ストレッチ、腸腰筋ストレッチ
  • 膝まわり:大腿四頭筋・ハムストリングの伸ばし

無理に鳴らさない

「ポキッ」と鳴るのが快感でも、強く捻ったり無理にひねったりする行為はNGです。
特に首を自分で強く鳴らすのは、椎骨動脈や神経に悪影響を与える可能性があります。

正しい姿勢と日常習慣の見直し

姿勢が崩れていると関節に偏ったストレスがかかり、鳴りやすくなります。
以下の点に注意しましょう:

  • デスクワーク中の座り姿勢
  • スマホ首(ストレートネック)
  • 猫背や反り腰

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【医療機関を受診すべき症状】

以下の症状がある場合は、整形外科やリハビリ科を受診してください。

  • 痛みや腫れを伴う音
  • 動きが制限されている
  • 一定の動きで毎回同じ音がする
  • 音がだんだん大きくなる・頻度が増える

診察では、関節や骨の状態をレントゲン・超音波・MRIなどで確認し、必要があれば理学療法士によるリハビリや運動療法を指導されます。


よくある質問(Q&A)

Q. 指を鳴らすと太くなるって本当?

A. 科学的な根拠はありません。関節液の音なので、骨が太くなったりはしません。


Q. ストレッチで関節が鳴るけど大丈夫?

A. ストレッチ中に鳴る程度で痛みがなければ問題ありません。むしろ、体がほぐれてきた証拠です。


Q. 毎日首を鳴らす癖があるけど、やめた方がいい?

A. 自分で強く鳴らすのは避けましょう。整体や整骨院でも注意すべき施術です。


まとめ

関節がポキポキ鳴るのは、主に関節内の気泡による音(キャビテーション)や、腱や靭帯のスナップ現象によるものがほとんどで、多くの場合は無害です。
しかし、痛み・腫れ・動きの制限を伴う場合は、何らかの障害や炎症の可能性があるため、整形外科を受診することをおすすめします。

「鳴らさないとスッキリしない」「クセになってる」そんなときは、姿勢の改善や柔軟性の向上、正しいストレッチを意識するだけで、かなり改善されます。

身体の声に耳を傾け、無理せずメンテナンスしていきましょう!


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