出産後は絶対になる!?仙腸関節痛とは?原因・症状・セルフケアを徹底解説

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出産後に「腰が痛い」「お尻の奥がズキズキする」「立ち上がるときに痛みが走る」といった症状に悩まされていませんか?それは、単なる腰痛ではなく「仙腸関節痛(せんちょうかんせつつう)」かもしれません。

実は、出産後の女性に非常に多いこの仙腸関節痛。にもかかわらず、まだあまり知られておらず、正しく診断されないまま慢性化してしまうケースも多いのです。

この記事では、産後女性を悩ませる「仙腸関節痛」について、原因・症状・診断方法・治療法・セルフケアまで、わかりやすく解説します。


仙腸関節ってどこにあるの?

まずは「仙腸関節」がどこにあるのかを確認しておきましょう。

仙腸関節は、骨盤の中心にある「仙骨」と、左右の「腸骨」の間にある関節です。

  • 仙骨:背骨の一番下にある三角形の骨。尾てい骨の上にある。
  • 腸骨:骨盤を形成する大きな骨で、腰骨の両側に位置する。

仙骨と腸骨が左右それぞれで連結する部分が「仙腸関節」です。関節といっても、肩や膝のように大きく動くわけではなく、数ミリ程度しか動かない微細な関節です。しかしこの小さな動きが、身体のバランスや衝撃吸収にとって非常に重要な役割を果たしています

基本的には動かない関節なので、逆に動いてしまうと痛みを引き起こすということです。


仙腸関節痛とは?

仙腸関節に炎症やズレ、ゆるみなどの異常が起きたことで生じる痛みが「仙腸関節痛」です。特に出産後の女性に多く、育児動作やホルモン変化によって悪化することもあります

● 仙腸関節痛の主な症状

  • 腰からお尻にかけての鈍痛や鋭い痛み
  • お尻の奥の方がズキズキする
  • 太ももの裏や股関節にも痛みが放散する
  • 片側の腰だけが痛む
  • 立ち上がり動作・寝返り・階段の昇降で痛む
  • 長時間座っていると痛みが悪化する

一般的な「腰痛」との違いは、お尻の奥や片側だけの痛みが多い点です。また、産後に急に痛み出したという方は、仙腸関節の不調が原因の可能性が高いです。


なぜ出産後に仙腸関節痛が起きやすいのか?

出産は、仙腸関節にとって非常に大きな負担となります。その理由は大きく3つあります。

ホルモンによる靭帯のゆるみ

妊娠中〜出産時、女性の体内では**「リラキシン」**というホルモンが分泌されます。このホルモンは骨盤周囲の靭帯を柔らかくし、赤ちゃんが産道を通りやすくする働きがあります。

しかしこの作用により、仙腸関節の安定性も失われてしまい、微妙なズレや炎症が起こりやすくなるのです。

出産時の骨盤への負荷

自然分娩では、赤ちゃんが骨盤を通過する際に、仙腸関節を含む骨盤に非常に大きな圧力がかかります。その結果、仙腸関節が物理的にズレたり炎症を起こしたりすることがあります

産後の育児動作による負担

出産後すぐに始まる育児生活では、抱っこ・授乳・おむつ替え・添い寝など、腰や骨盤に負荷をかける前屈姿勢や片足重心の姿勢が繰り返されます

これらが仙腸関節へのストレスとなり、痛みを悪化させる原因になります。


仙腸関節痛の診断方法

仙腸関節痛は、レントゲンやMRIなどの画像検査では異常が見つかりにくいのが特徴です。そのため、整形外科でも見落とされることがあります。

● 主な診断方法

  • 問診:痛みの部位・タイミング・育児状況などを詳しく確認
  • 理学検査:仙腸関節に圧をかけて痛みが出るかを確認(Gaenslenテスト、Patrickテストなど)
  • 局所麻酔注射:仙腸関節に局所麻酔を打って痛みが軽減すれば、仙腸関節痛と診断されます

仙腸関節痛の疑いがある場合は、専門的に仙腸関節の評価ができる整形外科や産後リハビリを行っている医療機関を受診するのが理想です


治療方法とセルフケア

仙腸関節痛は、適切に対応すれば改善する可能性が高いです。以下に主な治療方法とセルフケアを紹介します。

● 医療機関での治療

  • 安静・保存療法:痛みが強い場合は動作制限やコルセットの装着
  • 物理療法:電気治療や超音波、温熱療法など
  • 理学療法(リハビリ):骨盤周囲の筋力トレーニングやストレッチ
  • 注射治療:局所麻酔やステロイド注射で炎症を抑える

● 自宅でできるセルフケア

骨盤ベルトの着用

骨盤を安定させ、仙腸関節へのストレスを軽減します。産後のゆるんだ骨盤を支えるのに有効です。ただし、長時間の着用や誤った位置に巻くと逆効果になるので注意が必要です。 

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お尻のストレッチ

梨状筋(りじょうきん)や中臀筋など、仙腸関節を支える筋肉を柔軟に保つことが重要です。

例:仰向けで膝を抱える、お尻の下にテニスボールを当ててマッサージする、など。

姿勢の見直し

  • 授乳や抱っこ中に猫背にならない
  • 片足立ちや左右どちらかに重心をかける癖をやめる
  • 正座やあぐらなど、骨盤を安定させる座り方を心がける

骨盤底筋のトレーニング(ケーゲル体操)

骨盤の安定性を高めるために、骨盤底筋群のトレーニングもおすすめです。産後の尿もれ対策にも効果的です。


放置するとどうなるの?

「そのうち治るだろう」と我慢していると、痛みが慢性化して日常生活に大きな支障をきたす恐れがあります。

  • 抱っこや授乳がつらくなる
  • 睡眠の質が悪化する
  • イライラや育児ストレスが増す
  • 二人目の出産時に再発する

仙腸関節痛は、早めの対応が肝心です。痛みがある状態で無理に育児や家事を続けると悪化しやすいため、できるだけ早く専門家に相談しましょう。


まとめ:仙腸関節をいたわって、楽しい育児生活を!

出産は女性の体にとって非常に大きな負担です。とくに「仙腸関節」は出産や育児によって不安定になりやすく、痛みの原因となります。

仙腸関節痛は、まだ一般的には知られていないものの、多くの産後女性が経験する可能性のある疾患です。しかし、適切な診断とケアによって回復する見込みも十分にあります。

● 最後にアドバイス

  • 出産後の腰やお尻の痛みは「仙腸関節痛」を疑ってみる
  • 我慢せず、専門医や理学療法士に相談する
  • 骨盤ベルトやセルフケアをうまく取り入れる
  • 自分の体をいたわりながら、無理せず育児を楽しむ

「お母さんが笑顔でいること」が、赤ちゃんにとって何よりも大切です。つらい痛みは抱え込まず、ケアをしながら育児生活を前向きに過ごしていきましょう。


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