身体が硬い人と柔らかい人はなにが違うの?~柔軟性の秘密〜

能力アップ

「身体が硬くて前屈すると床に手が届かない」「開脚なんて夢のまた夢」「ヨガのポーズがきつすぎる」…そんな風に思ったことはありませんか?

一方で、何の努力もしていないのに身体がとても柔らかく、ラクに開脚やブリッジをこなす人もいます。

この違い、一体どこからくるのでしょうか?

本記事では、身体が硬い人と柔らかい人の違いについて、筋肉や関節の構造、生活習慣、遺伝的な要因などを交えて詳しく解説していきます。



柔軟性とは何か?

「柔軟性」とは、関節の可動域(ROM:Range of Motion)と、それに関わる筋肉や腱、靱帯などの伸びやすさを意味します。

つまり、柔軟性とは単に「筋肉が伸びるかどうか」だけではなく、「関節がどこまで動くか」「周囲の組織がそれにどこまで対応できるか」の総合力と言えます。


身体が柔らかい人の特徴

身体が柔らかい人には、いくつかの共通点があります。

  • 子どもの頃から柔軟性が高かった
  • 関節が過伸展(反りすぎ)する傾向がある
  • ダンスやバレエ、体操などをしていた
  • ストレッチが日常的な習慣になっている
  • 筋肉の緊張が少ない、リラックス状態を保ちやすい

また、一部の人は遺伝的に関節が柔らかく、いわゆる「関節弛緩性」が高い場合があります。逆に脱臼しやすい、捻挫をしやすいなどのデメリットもあります。


身体が硬い人の特徴

反対に、身体が硬い人の特徴としては以下のような点が挙げられます。

  • 子どもの頃から前屈が苦手だった
  • スポーツや運動経験が少ない
  • 筋肉量が多く、筋肉が収縮しやすい(特に男性に多い)
  • デスクワークが多く、動かす機会が少ない
  • ストレッチに苦手意識があり、避けている

また、「痛みを感じやすい」「筋肉が緊張しやすい」という心理的要因も影響することがあります。


筋肉の構造と柔軟性の関係

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筋肉は筋繊維(筋細胞)と呼ばれる細長い細胞の集合体で、ゴムのような性質を持っています。筋肉が伸びるときは、この筋繊維と、その周囲にある筋膜が一緒に伸びていきます。

筋肉が硬くなる原因としては、以下のようなものがあります。

  • 筋繊維や筋膜のコリ・癒着
  • 血流不足による酸素不足
  • 運動不足による筋力低下
  • 過度なトレーニングでの筋緊張

逆に、筋肉が柔らかい人はこれらの問題が少なく、筋肉の「弾性」が高い状態です。


関節可動域の個人差

柔軟性に大きな影響を与えるのが、関節の可動域の差です。

関節は基本的に、関節包と靭帯が存在します。関節包は「疎性結合組織」靭帯は「密性結合組織」と呼ばれる組織になります。関節包は柔軟性があり、靭帯は柔軟性が乏しくなっています。

関節を構成する靱帯や関節包の硬さにも個人差があります。関節包、靱帯が硬ければ、いくら筋肉を柔らかくしても可動域は制限されてしまいます。


遺伝の影響

「身体が柔らかいのは生まれつき」と言う人がいますが、実際に遺伝的な要素も関係しています。

  • 関節弛緩性(生まれつき関節がゆるい)
  • コラーゲンの質(靱帯や腱の柔らかさ)
  • 筋肉の構成(速筋と遅筋の比率)

などが挙げられます。

ただし、遺伝がすべてではありません。環境やトレーニングによって柔軟性はある程度まで改善が可能です。


生活習慣と柔軟性

座りっぱなしの生活、運動不足、同じ姿勢の継続は、身体の柔軟性を低下させます。

例えば、デスクワークやスマホ操作が多い人は、

  • 首の前傾
  • 肩甲骨の可動性低下
  • 背中の丸まり(猫背)
  • 股関節の固まり

などが起きやすくなります。

また、ストレスが多い人ほど筋肉が緊張しやすく、結果として柔軟性が落ちるとも言われています。


年齢と柔軟性の関係

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年齢を重ねるごとに柔軟性は低下していくのが一般的です。

主な理由は以下の通りです。

  • 筋肉量の減少
  • 組織の水分量の低下(弾性が落ちる)
  • コラーゲン線維の劣化
  • 活動量の減少

しかし、継続的なストレッチや運動をしていれば年齢による柔軟性低下は緩やかにできます

60代、70代でも開脚ができる人やヨガを続けている人がいるのは、日々の習慣の力です。


柔らかくなるためにはどうすればいい?

身体が硬い人でも、適切な方法と継続で柔らかくなることは十分可能です。

以下に柔軟性を高めるためのポイントを紹介します。

毎日ストレッチをする

「1日5分」でもOK。毎日継続することが最も重要です。

おすすめはお風呂上がりのタイミング。体が温まっているときは筋肉も伸びやすいです。

呼吸を意識する

ストレッチ中に呼吸を止めると、筋肉が緊張してしまい逆効果になります。深く息を吐くと副交感神経が優位になり、筋肉が緩みやすくなります

動的ストレッチと静的ストレッチの使い分け

  • 運動前:動的ストレッチ(ラジオ体操など)
  • 運動後・就寝前:静的ストレッチ(ゆっくり伸ばす)

このように使い分けることで、筋肉と関節を効率よく柔らかくできます。

筋トレと組み合わせる

筋トレで姿勢を支える筋肉を鍛えると、**正しいアライメント(骨の並び)**が保たれ、柔軟性も高まりやすくなります。


まとめ

身体の柔らかさは、筋肉・関節・靱帯などの構造、生活習慣、遺伝的要因、年齢などが複合的に関係しています

身体が硬いからといってあきらめる必要はありません。正しい方法で継続すれば、誰でも今より柔らかくなれます。

まずは、今日から「1日5分のストレッチ」から始めてみましょう。

柔軟な身体は、ケガの予防、姿勢の改善、運動パフォーマンスの向上など、あなたの生活に多くのメリットをもたらしてくれるはずです。


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